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マイコンを初めとするデジタルの世界では、1と0の2進数で全てが表現されます。
数字の中では1と0で2つの状態を判断できますが、電気の世界では、電圧が
高いか低いかで2つの状態を区別します。

電圧が高い低いの基準は、マイコンに供給される電源電圧がこれに相当します。
PICの場合は5Vで動作しますので、5Vが「電圧が高いとき」ということになります。
では何Vからが「低い電圧」なのでしょうか?

答えは、ずばりマイコンのGND電圧と等しいときです。すなわち0Vということです。

ではその中間の電圧だったらどうなる?2.5Vだったらどっちと判断しますか?
迷ってしまいますよね。マイコンも迷ってしまい、判断が怪しくなります。
よって、このような中間の電位は使用してはいけません。できるだけはっきりと
区別が付くように低い側は0〜1V、高い側は4〜5Vになるようにします。

この電圧が「高い状態」と、「低い状態」を、一般的に以下のように表現します。
高い状態→ ”1”、Hiレベル、Hi
低い状態→ ”0”、Loレベル、Lo

それでは次に、実際にはどのように回路が組まれ”1”と”0”を識別するか考えましょう。


左図は中央がPICで”IN”と書いてある場所が、
PICの入力部と考えて下さい。VCCは電源の(+)側
GNDは電源の(−)側に接続されていることを
意味しています。今後電池の回路記号は省略
しますが、左図のように電池も常にあると考えて下さい。

PICのINに注目して下さい。SWを押したときと離したときで
電位はどのように変化するでしょうか?

スイッチが切れているとき、INはGNDと接続されていますね。
すなわちLoレベルとマイコンは判断します。

スイッチが入ったとき、INはVCCと接続され、PICはHiレベルと
判断することが出来ます。

Rの存在が気になるところですが、SWがOFFの時(図の左側の時)
にはRには電流が流れないので、両端の電位は等しくどっちも
GNDと同電位となります。(すなわちINもGNDと同電位)

もしも、Rが無かったらどうなるでしょうか?
SWがOFFのとき、INは5VにもGNDにも接続されていなく、
HiだかLoだかそれこそはっきりしない宙ぶらりんな状態に
なってしまいます。これではPICはONなのかOFFなのかわからず
誤作動してしまいます。GNDをはっきり認識させるためにも必ず取り付ける必要があります。
このように、GNDレベルの電位をはっきりさせるために取り付ける抵抗を、「プルダウン抵抗」
といいます。GNDに引き込む抵抗です。抵抗値は数mA流しておく程度の抵抗で大丈夫です。
抵抗値をあまり大きくすると無駄な電力を抑えられる反面、ノイズに弱くなります。
PICの場合の5Vなら1kΩ〜4.7kΩ程度でしょう。このあたりを付ければ問題ないと思います。

また、上記ような接続にした場合、SWがONの時にPICの入力は”1”と認識され、
SWがOFFの時にPICの入力は”0”と認識されます。
ソフトを作る上ではONの時”1”なのでわかりやすいですが、電源とPICの入力ポートが直接
接続されるため、本当はあまりよろしくありません。


このような場合はどうでしょう。今度はRとSWの位置が逆です。
SWがOFFの時、INはVCCに接続されHiレベルになっています。
INには電流は流れないので、Rにも電流は流れず、両端の電位は
等しくなっています。(すなわちVCCと同じ)

SWをONにすると、INはGNDに接続されLoレベルになります。

ここでもRが無いと、SWがOFFのときに宙ぶらりんになり不安定になります。
このようにVCCレベルの電位をはっきりさせるために取り付ける抵抗を
「プルアップ抵抗」といいます。


とっちんぺーじ http://wgz.sub.jp/